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どうも、ちゃんなるです。
今回紹介するのはこの本!
『お金に支配されない13の真実』
この本から得られるもの
多くの心理学研究に基づいた、科学的なお金の知識。
「人は、どのような状況下で、どのようなことを考え、どのように振る舞うのか」という様々な実例をもとに紹介されています。
①「得したい」より「損したくない」
我々人間は、これから得られるものの量が減ることよりも、既に持っているものを失うことに強くストレスを感じます。
このような人間の心理を『損失回避』と呼びます。失うことを過度に恐れるのです。
皆さん経験ありませんか? 自分の持ち物を誰かに「ちょうだい!」「売って!」などと言われた際、実際の値打ちよりも高く評価してしまったこと。 愛車を売りに出したところ、思ったより低い値段がついて悲しんだこと。
問題です。それぞれ回答を考えてみてください。
問1:あなたは10万円もらいました。次の2つの選択肢を選ぶ場合、どちらを選びますか?
- ①コインを投げて表なら、もう10万円もらう
- ②何もしないでもう5万円もらう
問2:あなたは20万円もらいました。次の2つの選択肢を選ぶ場合、どちらを選びますか?
- ①コインを投げて裏なら半分払う
- ②何もしないで5万円払う
問1と2で回答が変わった人が多いのではないでしょうか?
この2問は、どの選択肢も期待値は「15万円得る」です。 ですが我々は、なるべく損しない選択肢を選びがちなのです。
②「適正な価格」とは?
結論、「変動する」です。
???
あるものに対する「適切だ」と思う価格が、時と場合によって変わるのです。
同じ料理を提供しても、人によって適正だと思う金額には大きく差があります。
また例えば、我々人間には『妥協効果』という心理的バイアスがあります。これは、小・中・大のように選択肢が3つある場合、我々は真ん中のものを選びやすくなる、というものです。小は中に比べてクオリティに欠点があり、大は中に比べて価格に欠点がある。我々はこの欠点を避ける、すなわち『損失回避』によって中を選択しやすくなるというものです。
他には、金額とプラシーボ効果の関係に関する調査結果もあります。例えば、エナジードリンクを飲んでから受けたテストの成績が、エナジードリンクに支払った金額が高いグループの方が支払い金額の低いグループに比べ成績がよかったという結果があります。また、同じ品揃えのビュッフェを楽しんでもらう場合、それに対して高い金額を支払ったグループの方が食後の幸福度が高かったという結果も。
③お金でやる気は引き出せる?
結論、「条件付きで、Yes!」です。
以前アメリカで、小中学生を対象とした学力向上を目的としたある実験が行われました。学生らはテストや課題などの成績によってお金をもらえるという実験です。対象都市は、ニューヨーク、ワシントン、シカゴ、ダラス、ヒューストンの5つの州でした。
結果、前者3つの州では学力にほぼ変化はなかったが、ダラス、ヒューストンの2州では学力向上がみられたそうです。これらの2州では、それ以外に比べ、お金をもらうために達成する必要のある課題が「具体的かつフェア」なものでした。テストの成績の順位のような一部の優秀な学生だけがお金を独占することのないような課題が達成条件でした。
いくつかの調査でお金でやる気は引き出せることがわかりましたが、その反面、デメリットも見つかっています。それは、「人は成果に応じて報酬が増えると約束されている場合、報酬の対象にならない努力を避ける傾向にある」ということです。
まとめ
今回お伝えしたのは下記の3点です。
- 我々には損失回避という心理があり、損をすることを恐れる傾向がある
- 我々は、3択の際に中間のものを選択する傾向にある
- 具体的な課題に対してのみ、金銭的インセンティブは機能する
これらを日々の生活に活かすため、私なりのアクションプランをお伝えします。
- 交渉の際は、「損しなくて済む」を伝える
- 複数の選択肢から何かを選ぶ際は、「小〜中程度のもので自分のニーズが満たせないか」を考える
- 課題やルールを明示し、その達成に対してインセンティブを与える(*子育てや教師、管理職のような人を指導する立場にある方は、ぜひ検討してみてください)
書籍情報
![]() | Mind over Money 193の心理研究でわかったお金に支配されない13の真実 [ Claudia Hammond ] 価格:1,760円 |