読み終えるまで約3分⏰
どうも、ちゃんなるです。
今回紹介するのはこの本!
『両利きの経営』
この本の概要
本書は、以下の問いから始まります。
・『一度成功した企業が、今後も成長・存続するためには何が必要なのか?』
・『大企業が新たなイノベーションをおこせず四苦八苦してしまう理由は何か?』
回答としては、
・『両利きの経営』が必要である
・『両利きの経営』ができていない
本書では、『両利きの経営』とは何かを、多数の企業の例示をして説明しています。
(企業例:ネットフリックス、富士フィルム、Amazon、ヒューレットパッカード、IBM、NASAなどなど…合計約30社!)
本書の結論は「『両利きの経営』をするための最大の課題は、リーダーシップにある」です。
それでは内容を確認していきましょう!
この本の3つの要点
①『両利きの経営』とは
②大企業ほど『両利きの経営』が難しい
③『両利きの経営』に欠かせない4つの要素
①『両利きの経営』とは
ひとことで表現すると、
「『深化』と『探索』の2つの活動を、高いクオリティーで両立すること」
です。
『深化』:既存事業の深掘り。上手くいってる事業を拡張して磨き込んでいくこと。
市場規模も把握できており、およそ成果の見積もりを立てることができる安定した活動。
『探索』:新規事業を指し、新しい市場を開拓しようとする活動のこと。
成果の不確実性が高く、その割にコストがかかる事業活動がこれに当たる。
自身・自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていく行為がキーとなる。
『両利きの経営』は、不確実性の高い『探索』を行いつつ、『深化』により安定した収益を確保する、この両方をハイレベルで行うことなのです!
②大企業ほど『両利きの経営』が難しい
成功・成熟している企業(≒大企業)ほど、両利きのバランスをとるのが難しくなります。
なぜなら、多くの大企業は、経営を支えるために安定した道を進むからです。
『深化』に偏ってしまうのです。
『深化』に偏るとどうなるのでしょう?
答えは、「イノベーションが起こりにくくなる」です。
こうした、大企業ほどイノベーションが起こしにくくなってしまう状況を、『サクセストラップ』と言います。
これらを踏まえて企業のリーダーである人々が意識するべきことは、いかにして『両利きの経営』をするか、ということになります。
③『両利きの経営』に欠かせない4つの要素
以下の4つが必要で、どれか1つでも欠けると『両利きの経営』とはなりません。
- 『探索』と『深化』が必要であることを明示する戦略的意図
- ベンチャーの育成と資金供給に経営陣が関与・監視し、その『探索』の芽を摘もうとする人々から保護すること
- 『探索』部門が成熟部門のノウハウを活用できるような組織構造。また、『探索』部門が独自に動ける組織構造。
- 『探索』部門と『深化』部門に共通するビジョン・価値観・文化。部門は分かれていても企業内全体がチームであると認識すること。
1. まず、企業の経営陣が『深化』だけでなく『探索』が必要な理由を認識し、具体的に説明できるようになっている必要があります。
2. 経営陣の一部だけではなく、経営陣全体で合意をして関与・支援する必要があります。
そのためには合意が取れない経営陣を入れ替えるといった決断もせざるを得ません。
3. 『探索』組織は『深化』組織から切り離しましょう。
距離が近いと、『深化』組織が『探索』組織を邪魔者(研究費の無駄遣いをしている、異質な事業)と思ってしまう場合が多いです。
4. 会社的なつながりを実感し、資源の供給が積極的に行われるような環境が必要。
例となりますが、Amazonの文化規範は以下の通りです。
- あくなき顧客重視
- 実験への積極性
- 倹約
- 政治的な行動をしない
- 長期展望
Amazonは色々と事業をこなしてますが、各事業とも、上記の文化規範を重んじているそうです。
まとめ
『両利きの経営』は、『深化』と『探索』のバランスを取る経営のことです。
経営方針を握るのは企業のリーダーや上層部であり、彼らが『両利きの経営』の共通の認識・ゴールを持っている必要があるのです。
『両利きの経営』をするには次の4つが必要です。
- 戦略的意図
- 経営陣全体の『探索』への関与・支援
- 『深化』と『探索』を分けた組織構造
- 会社全体で共通した文化規範
より深く知りたい方は、ぜひ本書を手にとってみてください!
書籍情報
![]() |
両利きの経営 「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く [ チャールズ・A・オライリー ] 価格:2,640円 |
![]() |
両利きの経営 「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く【電子書籍】[ チャールズ・A・オライリー ] 価格:2,640円 |
【書籍名】両利きの経営「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く
【著者名】チャールズ・A・オライリー、マイケル・L・タッシュマン
【出版社】東洋経済新報社
【出版日】2019年2月15日頃
【ページ数】416ページ